イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
「そうそう、ミソラ。

さっき彼氏から電話あったよ。

連絡しといてね」


おそらくものすごい形相で床を見つめていたであろうあたしに。

美咲姉ちゃんが笑顔で言った。


(――彼氏?)


彼氏ってだれだっけ?


こんなときにでも、あたしはついつい期待してた。

もしかして、もしかすると……

憧れのN先輩とか!?


「彼氏って、だれだっけ?」


あたしの声に、美咲姉ちゃんは陽気に笑った。


「だれって、そんなにたくさんいるの?

直之くんに決まってるでしょ」
< 45 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop