イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
美咲お姉ちゃんは河原から跳ねるように階段を上がって、橋を渡って家の方へ歩いて行く。


……いっつもデートはここで別れてたのかな。

ちょうど家から見えにくい位置かもね。



(どうしよう)


方針が決まらないままに。

あたしはとりあえずさっと立ち上がった。


イケメン店員くんは、くるりときびすを返してぷらぷら歩いて行く。


(尾行してみよう)


住んでるところくらい、つかんどかなきゃね。



10分後くらいにたどり着いたのは、背の高い賃貸マンション。


(ワンルーム? 大学生なのかな)


イケメン店員くんは、並んだポストのひとつのフラップを持ち上げて中身を取り出した。

あたしはすかさずポストの名前を読む。


(入江)
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