イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
「でもそれは、入江さんのことが好きだから……」

「もうちょっとさあ、放っといてくれないかな、なんて」

「まぁ、気持ちはわからないでもないけどね。

……不満があるんだったら、美咲さんにそうやって話をして、思ってることを伝えたらいいじゃない。

ちゃんと話してる? そういうこと」

「……」


ポケットに両手を突っ込んで、肩で壁に持たれて。

探るように、無言であたしをじっと見つめる。

そのひどく整った顔に思わずみとれてしまいそうになる心を、ぐっと引き締めた。


「……言ってないんでしょ?

だったら何も変わらないじゃない。

影で重い重い言ってるなんて、男らしくないと思わない?」

「……なかなか言うね、あんた」


ニヤリと笑って首を傾げる様子が、さまになってた。
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