イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
いきなり怒りを爆発させるあたしに、イケメンは驚いて2,3歩下がった。

目を丸くして、ぽかんと口を開ける。


「……誰が死んだって?」

「あんたは知らないだろうけどね、美咲姉ちゃんの……」


最後まで言わないうちに。

あたしは突然、横から飛び出してきた人影に思いっきりタックルを食らった。


「ぎゃあっ」


あまり色っぽくない悲鳴をあげて。

次の瞬間、二人で折り重なってばったりと倒れてた。


「いたぁ! ちょっと、何すんのよ……」

「……痛いのはあたしも同じだってば」


あたしの下敷きになって、眉間にしわを寄せて体を起こしたのは。

あたし、だった。


(――は?)
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