イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
あたしからふっと視線を外して、遠くに視線を投げて、ちょっと考え込んでるふうの彼の整った横顔を見て。


(大丈夫かな?)


ちょっとほっとしたあたしは、そっとそこから離れた。



帰ってみよう。

現在へ。


(……案外いい人かもしれないな)


自意識過剰なチャラ男だと思ってたけど、多少ヘラヘラしてるだけで、話してみると実は案外素直な人かも。

あたしはもう一度だけ振り返ると。

断ち切るように、じゅわん、と現代に戻った。


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秘密の場所から飛び石を渡って、川べりに置いてあった自転車に乗り込む。

相変わらず、あたしの荷台に子ども用の椅子はついてなかった。
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