イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
「……」


大きなため息がもれた。


(やっぱりダメなのかな……)


深い失望に、泣きたくなる。

……でもこれは、あの男と美咲姉ちゃんがうまくいった証拠かもしれない。

あたしの親代わりは、もう必要なくなってるのかもしれない。


もしかして、もしかしたら………


期待と不安ではちきれんばかりの心臓を抱えて。

静まりかえった家のドアを開けると、あたしは家の中に文字通り飛び込んだ。


(――誰もいない)


ふと見ると、コルクボードにピンでとめられた写真入りハガキが眼に入った。


(……あ)


ウェディングドレスに身を包んだ、すばらしい笑顔の美咲姉ちゃん。

そのとなりに立っているのは……


『わたしたち 結婚しました

入江 圭輔 美咲』
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