イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
人の人生に、過去にさかのぼって干渉するなんて。

しかも、うまくいってるカップルをこじらせることを考えるなんて、我ながらサイテーだ。



でも……

それでも……そうしないと、拓海は帰ってこない。


どれだけヒドイ人間になっても、拓海だけは――


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賃貸マンションの近くの川原に座ってる、若い入江圭輔を見つけた。


(いた、いた)


あたしはさっき飛んだ少し後の世界にふたたび飛んでた。

もっと前の時間に戻ることも考えたけど。

よく考えたらあたしがその後くっつける工作をしちゃうんだもんね。

それじゃ結果は同じになるだろうから。



さっきあれだけ説得しておきながら、いったん別れさせるって、どうしたらいいんだろう。
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