イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
「じゃあね。

また来るから」


さっと引いた方がいい気がして。

あたしはすばやく絡めた手を離すと、きびすを返した。


きっとこの人、自分にベタベタに惚れた女の子より、謎めいた子の方に惹かれる。そういうタイプなんだ。


だいぶ離れてから一度振り返ると、入江圭輔はまだこっちを見てた。


(いけるかも……)


心に希望の光が灯るのを見ながら、あたしは現在に戻った。


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こないだ戻った日から数日後の若い入江圭輔に、あたしは怒り心頭で叫んでた。


「あんた……彼女と別れたんじゃないの!?」


あれから現在に戻っても、拓海はいなかったんだ。

美咲姉ちゃんに、新しい彼氏が出来てただけだった。
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