六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
今日は太一と二人で学校に向かう。
清良と瑛さんは、別のルートから行く事にした。
転入初日にすごく目立ってしまったのが原因だけど。
何かあったら、太一が二人に式神を送る手筈だ。
「姉ちゃん、さっきは瑛さんに何もされなかった?」
太一の可愛い顔が、心配そうにのぞきこむ。
「されるわけないよ。あの人は、仕事人だから」
「仕事人?」
「仕事命でしょ。
だからあたしを傷つけるような事はしないよ」
「あぁ……」
太一はしぶしぶうなずく。
「もう、心配しすぎだよ!あたしは大丈夫!
誰も好きにならないように、ちゃんと気をつけるから!
……っていうか、あんな冷たい人に深入りなんかしないよ」
ね?と笑うと、太一は苦笑した。
何故か、その顔が少し大人びて見えて……。
嬉しいような寂しいような、不思議な感じがした。