六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
清良はあたしを猫のようにつかむと、
そのままズリズリと引きずっていく。
するとすぐに上から声をかけられた。
「……何してんの」
「太一!」
「あ、おはよー」
清良はパッと手を離す。
「寝起き悪かったみたいで、うだうだしてたからさ。
また怖い夢見たんだって」
「マジで?姉ちゃん、大丈夫?」
太一は昨日の事など何も無かったかのように、あたしに手を差しのべる。
「う、うん」
あたしはその手につかまって、立ち上がった。
「……おはよう、太一」
「……おう」
太一は手を離すと、ニコリと笑った。
良かった……。
あたしもふにゃりと笑い返した。