六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
地上のアキちゃんの後ろを見上げると、
そこには大きな倉庫みたいなものが建っていた。
これって、何ていうんだっけ。
あ、そう、蔵(くら)?
実家の近くのお味噌の工場がこんな形だった。
小さな一戸建くらいの大きさで木造のそれは、
建ってからの長い年月を物語っていた。
「アキちゃん、ここ開いてるの?」
扉に近づくと、案の定、大きな南京錠が付いている。
「ダメじゃーん」
「にゃあ、にゃあ!」
抱き上げると、アキちゃんはあたしをにらむ。
「……自分で開けろって……?」
「にゃあ!」
えぇ、良いのかなぁ。
ま、念力の訓練だと思おうか。
開いたらすぐに閉じればいいし。
あたしはアキちゃんを肩に載せたまま、南京錠を両手で包んだ。
(開け、開け……)
念じると、手の内で静電気のようなパチパチという音がする。
南京錠自体が抵抗しているようだ。