六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


「……一緒だろう、どんな世界も。


弱者は虐げられ、強者だけが甘い汁を吸う。


しかし強者は、常に命を狙われる。


人が存在する限り、誰かが誰かを傷つけるのは終わらない」


「…………」


「俺の父の事だって知っているだろう。


父があんな目に遭っても、

俺は一族の者として、こうして生きるしかない。


そうしなければ、自分の命がないから……。


辛い境遇にいるのは、お前だけじゃない……」


瑛さんのお父さん?


オーリィの顔を見上げるけど、何も知らないようで、肩をすくめるだけだった。


「誰だって、この世で必死に生きているんだ。

自分ばかりを憐れむのはよせ。

そして……関係のないあいつを巻き込むのも」


「黙れ!!お前に説教される覚えはない!!」


伊奈の周りに、また凄まじい霊力が巻き上がる。


< 350 / 691 >

この作品をシェア

pagetop