六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「……一緒だろう、どんな世界も。
弱者は虐げられ、強者だけが甘い汁を吸う。
しかし強者は、常に命を狙われる。
人が存在する限り、誰かが誰かを傷つけるのは終わらない」
「…………」
「俺の父の事だって知っているだろう。
父があんな目に遭っても、
俺は一族の者として、こうして生きるしかない。
そうしなければ、自分の命がないから……。
辛い境遇にいるのは、お前だけじゃない……」
瑛さんのお父さん?
オーリィの顔を見上げるけど、何も知らないようで、肩をすくめるだけだった。
「誰だって、この世で必死に生きているんだ。
自分ばかりを憐れむのはよせ。
そして……関係のないあいつを巻き込むのも」
「黙れ!!お前に説教される覚えはない!!」
伊奈の周りに、また凄まじい霊力が巻き上がる。