六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「結局ある政治家に用心棒として雇われ、
同じような仕事を繰り返し……
ある日返り討ちにあい、
帰らぬ人となった父を追い、母も逝ってしまいました。
それから私が跡を継いで、今にいたるわけですが……」
「ここでも、役立たずの烙印を押されたら、もう生きていけないな」
誰一人口を挟めなかったのに、瑛さんが呟いた。
「……黙りなさい……」
「だから自分の支配する世界が欲しいわけか」
「黙れ!!」
伊奈の冷たい怒りを孕んだ視線が、瑛さんを睨みつける。
「岡崎一族のような者達がいる限り、
父や母のような思いをする者は後を絶たない!
お前達は弱者を虐げ、自分の都合の良い様に……」
「だから、それとお前がしようとしてることの何が違う!!」
瑛さんの怒鳴り声で、伊奈の口が閉じられた。