六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


「もうやめえ!!」


霊力の拳を、伊奈に直接繰り出すが……。


「!?」


鞭を持たない左手で、

伊奈はいつの間にかお札を取り出し、その右腕に放つ。


「破却せよ!!」


「!!」


爆音を立てて、お札が爆発する。


とっさに身を引いたオーリィが、よろけながら右腕を押さえる。


「オーリィ!」


その右腕は爆発の衝撃で傷ついていた。


服の袖が焼けた跡に、

呪文のような刺青がされた上腕が露になる。


「……無茶苦茶やりよるな……」


うめいたオーリィを無視し、伊奈はうずくまる瑛さんに向かう。


「……最後です。

言い残す言葉はありますか」


力が残っていないはずの太一が、お札を構える。


清良も宝刀を握り、伊奈の隙が現れるのを待っていた。


あたしも祈らなきゃ、と思ったとき、瑛さんが口を開いた。


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