六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「無駄ですよ。
ここは貴女の力を無効化する結界が、
張ってありますから」
たった今自分で気づいた事を、言葉にした人がいた。
ハッとして、顔を上げると。
「……あなたは……!」
つい先日、会ったばかりの人。
琴さんが、何人もの女性を従えて立っていた。
「岡崎一族の【村】へようこそ」
透き通るその声が、鉄格子の向こうから響いた。
「村……!?」
「ええ。
歓迎します、夢見姫様」
実際の待遇とは逆のセリフに、体が動かなくなってしまう。
岡崎一族の村……。
じゃあ、本当に……。
あたしは、瑛さんにここに連れて来られたんだ。
夢じゃ……なかった。
「瑛さんはどこ?
瑛さんに会わせて!」
「どうして?」
「どうしてって……」
「自分を裏切った人に、何を聞こうと言うの?」
あたしを見る琴さんの目は、氷のように冷たかった。