六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
恐怖に負けそうになりながら、あたしは震える声を振り絞った。
「どうして、あたしはここに連れてこられたの?
あたしをどうする気なの?」
「それは、族長からお話します」
「えっ……?」
琴さんは質問には答えずに。
口の中で、呪文を唱えた。
すると、鉄格子がゆっくりと開く……。
逃げる間もなく、
琴さんに付き添ってきた巫女姿の女性達が、あたしの体を拘束した。
まるで犯罪者のように、両手が手錠で繋がれる。
代わりに、足枷がはずされた。
「だらしのない格好」
琴さんはあたしのマキシ丈のワンピースを見て笑った。
確かに、ボーダー柄のワンピはこの空間からあまりに浮いていて。
まるで、自分が悪い事をしているような錯覚に陥りそうになる。
「これは、うちの方じゃ普通なの!」
「そう。良いわ、連れて行きなさい」