六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
ぞくりと、背中に冷たいものが走る。
怖い――。
あたしは素直に、そう思った。
「まだ小娘ではないか」
彼はあたしを蔑むように見下ろす。
「……その“小娘”になんの用ですか」
なけなしの勇気を振り絞り、あたしは岡崎滋をにらんだ。
すると彼は、にやりと笑った。
まるで、珍しいものを見つけたように……。
「気の強い娘だな。
さすがのお前も、手を焼いただろう」
「…………いえ」
「!!」
今度こそ、驚きで心臓が止まりそうになった。
滋が振り返った、後ろ……。
大きな体の陰に、寄り添っていたのは。
間違いなく、瑛さんだった。