六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


「瑛、観念しろ。

夢見姫を助けて、お前に何の得がある?

待っているのは、死のみだ」


「うるさい!」


ゴォ、と紫の炎が巻き上がる。


「それが、どうした……」


「なに……」


「俺はこの目で、この手で美合孝太郎の最期を知っている。

俺がどうなるかなんて、嫌になるくらいわかっている」


「瑛さん……」


「それでも、こいつは渡せない!!」


瑛さんが短刀を構えた。


炎の勢いで、他の忍は近づけない。


「……死も覚悟の上か」


滋は平然と、炎の壁の中に入ってくる。


そこは決闘場のように、二人とあたしだけの空間となった。


「いいだろう。

お前の力、見せてみろ!!」


滋も着物の中から、短刀を取り出した。


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