六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


「離れてろ!」


瑛さんはそう言うが早いか、

紫の炎を纏った短刀で、滋に斬りかかる!


「はっ!」


滋は楽々とそれを自分の短刀で受け止めた。


ぎりぎりとせめぎあう短刀の間から、二人の顔が見える。


「ふっ、私に敵うと思うてか!

このうつけが!!」

「ちっ!」


やはり身体の大きな滋の方が、力では有利なのか、

瑛さんの短刀は弾かれてしまう。


しかし瑛さんは何度でも滋に斬りかかっていく。


ぎぃん、と刃がぶつかるたびに、赤い火花が上がるのが見えた。


「瑛さん……」


このままじゃ、どう考えても瑛さんが不利だ。


滋の手にも、

煙の中で、あたしを離した時に負ったと思われる傷があったけど。


瑛さんの忍装束の方が、

明らかに赤く染まった面積が広かった。


「結界……」


そうだ、結界を何とかすれば、あたしの力を使う事ができる。


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