六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「瑛さん、この結界は誰が作ったの!?」
「あそこにいる女だ!」
炎で次の攻撃を避けながら、瑛さんが指差したのは。
砦の隅に立てられた、御簾(みす)の向こうだった。
そこだけは寝所のように少し高くなっている。
「あそこにいるのね!?」
「あぁ、って、お前、まさか……!」
「行ってきます!!」
「バカ、待て!!」
あたしは瑛さんの制止も聞かず、
炎の向こう、御簾のほうへ走り出す!
案の定、忍び達がわらわらと寄ってきた。
あたしは特別怖い顔で叫ぶ。
「あたしに指一本でも触れてみなさい!
あなたたちの族長に力を与える前に、
舌を噛んで死んでやるから!!」
その言葉にどれほどの威力があったかわからない。
が、それでも伸びてくる手や御札、蜘蛛の巣達を何とかかわしながら、
あたしは全力で走った。