六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「おのれ、小娘!」
背後から高い声が響き、振り向くと、
琴さんが杖のようなものを持って、あたしをにらみつけていた。
「結界は私が守る!」
御簾まであと一歩なのに。
その向こうで、人影が揺らいだ気がした。
逃げられる!!
「どいて、琴さん!!」
「できません!!」
ぶん、と杖の尖った先があたしの鼻先をかすめる。
それについた金色の飾りたちが、シャン、と音を立てた。
「このままじゃ、
瑛さんの命だって危ないんだよ!?」
「知りません!
……私を裏切った人が、どうなろうと……」
「嘘!
好きなひとのこと、そんな風に思えるわけない!!」
「貴女が言わないで!!」
琴さんが、杖を振り上げ──。
今度こそ、胸を突きに来る!
あまりの速さに、思わず目を閉じた。
その時だった。