六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「バカ者めが!!」
ぱっと赤い血が舞う中、そう言った男は──。
瑛さんと同じ、紫の炎を纏わせた拳で。
その傷跡を、殴り飛ばした。
「あぁ……っ!!」
瑛さんは、寝所の階段まで吹き飛ばされる。
その身体が沈んだ場所へ、あたしは全速力で駆け寄った。
「瑛さん!!」
砕けた階段に、瑛さんは横たわっていた。
が、すぐに立ち上がろうとする。
命があって良かったと思う間もなく、
彼の傷跡から血液がボタボタと音を立てて、落ちた。
「ぐ、あ……っ!」
「動いちゃダメ!
今、ふさぐから……っ!」
背後では、滋の笑い声がする。
「……逃げろ……っ!」
「無理!
置いていけないよ!」
「バカか!
はや、ぐうっ、あぁ……!」
「瑛さん!!」