六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「岡崎瑛ぁっ!!
姉ちゃんを傷つけたら、許さねぇからな!!」
「……太一……」
「何とかしろよ!!
俺じゃダメだ!
アンタじゃなきゃダメなんだ!!
頼むから、死ぬ気で守ってくれよ!!」
太一の叫びは、悲鳴のようにも聞こえた。
それは、ただの弟じゃなく。
誰よりあたしを想ってくれた、男の子の声だった。
「……う、ぐぅ……っ!」
返事の代わりのうなり声が、頭上でした。
縛りつけられ、動けなかった彼の四肢が、ギシギシときしむ。
「ダメ、やめて!
無理したら死んじゃう!」
「ぐ、ぁあぁ……っ」
今度は、羽根が……。
六花の翼が、きしみだす。
「俺を解放しろっ、まりあ……!」
その瑛さんの声に答えたのは、あたしではなく滋だった。
「そんな事をさせると思うか!!」
一瞬で、霊力の集まった拳が、降り下ろされた――。