六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「……やめろっ……!」
頭上から、苦しむ瑛さんの声がした。
「……黙って見ていろ。
愛しい姫が、傷つけられる様を」
滋の太い手が、炎をまとい、振り上げられる。
(防御……!!)
とっさに霊力の壁を作るが
、瑛さんまで守ろうとして、その濃度は薄くなってしまう。
これでは、防ぎきれない……!
「族長、お早く」
横から声が聞こえる。
全てを凍らせるような冷たい声の主は、
今まで傍観していた琴さんのお母さん――知立孝(こう)のものだった。
「わかっている」
天にかざした腕に、ものすごい霊力が集まっていく。
これを食らったら、気絶じゃ済まない……。
けど、瑛さんを残してよけるわけにもいかない。
「っかやろ……っ!」
とにかく壁を維持しようとするあたし達に、太一が叫んだ。