死神少年
重たいペダル
目を覚ますと目の前の俺の回転式の椅子に青年が一人、まるで自分がこの世の全てを支配している独裁者の如く座っていた。
「Good morning」
と若き独裁者は完璧な発音で朝のご挨拶。
「全然グッドじゃねえし、つーか何してんの」
「やだな、また来るって言っただろ」
ああ、確かに若き独裁者は昨日そんな事を言っていたがまさか本当に来るとは、しかもこんな朝っぱらから。
「帰れ、今すぐに。」
「断る。 昨日の話、まだ諦めたわけじゃないからな」
そう言うと若き独裁者はビシッと俺を人差し指で差す。
この礼儀知らずの若き独裁者に人を指差すなと今にも口から飛び出しそうな言葉を飲みこんで、俺は朝の身仕度を始める。
独裁者様とは違い、俺にはやるべき事がある。
今は彼のお遊びに付き合う前に優先すべき事が山のようにあるのだ。
着替えを済ませ、時刻を確認しようとベットの横いある引き出しの上に目を向けると、そこにあるべき筈の時計がない。
時刻表示と同時に目覚ましの役目も果たしていた俺の時計だが、そういえば今日は自然に目が覚めたから目覚ましでは起きてない。
別に下の時計を見れば済む事なので大して気にも止めずに俺はドアに手をかける。
がその瞬間、床を見ると信じられないものが目に飛び込んだ。
針だ。間違いなく俺の時計の長針だ。
俺は長針を拾い上げると隣でぐるぐると椅子で回転している若き独裁者キッとを睨んだ。
俺は椅子の腰掛けをガッと掴むと無理矢理椅子の回転を停止させた。
若き独裁者は何の用かと首を傾げる。
「これはどういう事だ」
俺は長針を奴の鼻先に突き付けた。
「何だそれ?」
「目覚まし時計の長針だ。 あんた……何か面倒やらかしただろ」
奴は「目覚まし……」と呟くと、思い出した用に「あのうるさいやつか」と続けて言った。
「そのうるさいやつ、はどうしたんだ。」
「あれか? うるさかったからぶっ壊した。」
特に悪びれた様子もなく、爽やかな笑顔で奴はあっけらかんとした態度で答えた。
「Good morning」
と若き独裁者は完璧な発音で朝のご挨拶。
「全然グッドじゃねえし、つーか何してんの」
「やだな、また来るって言っただろ」
ああ、確かに若き独裁者は昨日そんな事を言っていたがまさか本当に来るとは、しかもこんな朝っぱらから。
「帰れ、今すぐに。」
「断る。 昨日の話、まだ諦めたわけじゃないからな」
そう言うと若き独裁者はビシッと俺を人差し指で差す。
この礼儀知らずの若き独裁者に人を指差すなと今にも口から飛び出しそうな言葉を飲みこんで、俺は朝の身仕度を始める。
独裁者様とは違い、俺にはやるべき事がある。
今は彼のお遊びに付き合う前に優先すべき事が山のようにあるのだ。
着替えを済ませ、時刻を確認しようとベットの横いある引き出しの上に目を向けると、そこにあるべき筈の時計がない。
時刻表示と同時に目覚ましの役目も果たしていた俺の時計だが、そういえば今日は自然に目が覚めたから目覚ましでは起きてない。
別に下の時計を見れば済む事なので大して気にも止めずに俺はドアに手をかける。
がその瞬間、床を見ると信じられないものが目に飛び込んだ。
針だ。間違いなく俺の時計の長針だ。
俺は長針を拾い上げると隣でぐるぐると椅子で回転している若き独裁者キッとを睨んだ。
俺は椅子の腰掛けをガッと掴むと無理矢理椅子の回転を停止させた。
若き独裁者は何の用かと首を傾げる。
「これはどういう事だ」
俺は長針を奴の鼻先に突き付けた。
「何だそれ?」
「目覚まし時計の長針だ。 あんた……何か面倒やらかしただろ」
奴は「目覚まし……」と呟くと、思い出した用に「あのうるさいやつか」と続けて言った。
「そのうるさいやつ、はどうしたんだ。」
「あれか? うるさかったからぶっ壊した。」
特に悪びれた様子もなく、爽やかな笑顔で奴はあっけらかんとした態度で答えた。