遊びじゃない


「ひゃあぁぁぁ…」

朝の目覚めはなんとも情けない男の悲鳴とも泣き声ともわからないひっくり返って弱弱しい声だった。

隣の寝室から聞こえるドタバタに思わず笑ってしまいながら、ソファも寝心地が悪くないなと思っていて。
じゃあソファでそういう行為に及ぶ人もいるよな…麻生さんみたいに、とか思い出してしまう。

「あっ、あの…、まおちゃん…」

「おはよ。」

いつものもさもさ頭に黒縁眼鏡を装着して、産まれたての小鹿のように足を震わせているゆうが寝室から顔を出す。

「おはよう…、あのこれって…」

ソファに起き上がって未だ寝室から出てこないゆうに視線を向ける。
視線が合った途端に気まずそうに俯く男は、身に付けているスウェットを指差していて。

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