遊びじゃない
「柏木さん、まだかかりそう?」
「あ、瀬川さん。もう少しなんですけど…私、鍵かけていきますよ。」
月末の残業時期…では、ない。
仕事に身が入らずに効率悪く仕事をしていたせいで、当たり前だけどほかの子達はもうとっくにいなくなっていて。
残ってるのは、何となく帰りなくない私と、鍵をまかされてる瀬川さん。
ぐだぐだ仕事をしている私に付き合ってもらうわけにもいかないし、鍵は私がかけたって問題ないし。
にこりと笑って鍵を受け取るために手をだすけど、どういうわけか瀬川さんはその手を無視して隣のデスクに腰掛ける。
「…帰りたくないの?」
「え…?」
聞き間違いかと瀬川さんと視線を合わすと、いつもはきっちり結われた綺麗な黒髪をするっと解きながら意味ありげな眼鏡の奥。