遊びじゃない

「なんだか疲れてない?調子取り戻したかと思ってたのに。」

出勤後デスクでちょっと目を閉じていると、横を通り過ぎざまに瀬川さんに肩を軽く叩かれる。

顔を上げると意味ありげに含み笑いを浮かべる瀬川さんは、どうやら何かいらぬ誤解をしているようで。

「ないですから。しすぎて寝不足とか。」

「あら、つまらないわね。」

拍子抜けとでも言いたげに肩をすくめてから颯爽と通り過ぎる瀬川女史。

「風邪とかならさっさと帰りなさいよ。移されたらみんなの迷惑だから。」とドギツイ台詞を残して。

これが彼女なりの優しさであるとわかって、こうして我が部署のお局様とキワドイ会話が交せるということは、私もそれなりの古株ってことだと身に沁みて感じる。

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