遊びじゃない

「…まだ、麻生さんのこと…」

「ちがう」

「じゃ、子供が」

「違うってば」

「……じゃあなんで、まおちゃんは泣いてるの…?」

そんなの、わからない。なんで泣いてるかなんて。

泣いてるのだってゆうが苦しそうに歪める顔が滲んでやっとわかったくらいなのに。

泣いてばかりいる女になりたくなくて昨日から泣いてばっかりだってことも、認めたくないのに。

私の前に膝立ちしたゆうが私の頭を優しく撫でてくれるから。

「…ごめっ、ん…」

もう片方の手で涙を拭っているゆうの上にもポタポタと流れ落ちる。

悲しいとか、嬉しいとか、寂しいとか…そんな簡潔に説明のできない感情が綯い交ぜになって押し寄せて。

泣いているせいなのか耳の奥で蝉が鳴いてるみたいにジーンジーンと響く。


ただ、泣きたかった。

誰かに縋りついて思い切り泣きたかった。

ありえないけど。

まだ好きとか、命をかけても絶対にないことだけど。

……頭の隅で麻生さんがチラついて、ゆうの苦しげな顔が浮かんだ。


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