遊びじゃない
その後ろ姿を見つめ、ほんとに誘ってくれるのかなとか考えてたら、隣でキィっと椅子の軋む音がする。
「お礼って?…何あんた、次は図々しく麻生さんなわけ?」
…恐いよ、美織。
そのはち切れそうなお腹で私を突かないでよ。中のベビーまでもが意義を唱えてキックしているかのように感じる。
臨月かと見紛うくらいのお腹を揺らしながら美織が隣の椅子に腰掛ける。
「う~ん。そうなの…カナ。」
美織相手じゃいくら可愛く小首を傾げても全くのスルー。
「ほらね、すぐ見つかるじゃない。」
「自分でも不思議。」
自覚した途端加速する恋心っていうものは、意味もなく人をにやけさせるみたいで。
まだ何も始まってないのに、意識するだけで最近忘れかけてた女らしさが急速に戻ってくる。