遊びじゃない

「僕、やっぱり嬉しくて。」

「へ?」

「あの日…まおちゃん帰っちゃってから結構落ち込んでて。頼ってとか、何でも言ってとか押し付けちゃって、なのにまおちゃんがまだ麻生さんのこと好きなのかと思ったら悲しくなったり、もうここにはいないのにいつまで傷つけるんだよってイラついたりしちゃって…」

やっぱり見えないゆうの表情がわかりたくて、左手を伸ばして顔に触れる。

「こんな器の小さい男まおちゃん嫌だよなって思ったら、もう連絡とかできなくて。会社で時々まおちゃんの部署まで様子見に行ったりしたけど、瀬川さんに見付かって怪しまれたりして…」

いやだから、それってある意味ストーカーだからね、怪しむよね、普通。

様子みにきてたことなんか全然知らなかったけど。

素っ気無いメールだけだった理由はこいつなりにあったんだなと思う。

「あのさ、別にあの人のことなんて関係ないんだって」

そう、私が泣いたのは…あんなに混乱して、焦って、落ち込んでたのは。

「私、あんたのこと好きだから。」

ゆうに傾きかけ、というかほぼ倒壊していた私の気持ちは、乳汁漏出事件でより確信したというか。
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