遊びじゃない
誰が隣にいようが、大体は隅っこで飲んでいるこの男。
呆れるくらい存在感がない。
仕事ができるとは思えないし、気の効いたことひとつ言えない、ただニコニコして機嫌のいい無害な男。
「予定ってデート?」
不躾な質問をなんとも思ってないような顔で聞いてくる男に今日は特別ににっこりと特上の笑顔を返す。
「そうなの。だからちゃっちゃと済ませて準備したいのよ。」
少しの嫌味は込めたつもりだったけど、それが1ミリも伝わらない男は申し訳なさそうにくせっ毛のふわふわ頭を掻いて、ごめんねと繰り返す。