遊びじゃない
「…先にシャワー浴びる?」
やっと私の両腕の拘束を解いて、その赤くなった手首にキスを落としながら掠れたままの声で聞かれる。
その声がとてもセクシーで、もっと聞きたくなったりして、繋がりが解かれたことも少し寂しく思う。
ぼうっと麻生さんの顔を見つめていると、その視線にふっと笑いを零して「先行くわ。」とあっさり体を引き離す。
…期待はしてなかったけど、やっぱり甘いピロートークなんてものはなくて。それってやっぱり一夜だけのそういう関係ってことかな、と思ったりして小さくため息をつく。
元カレとのピロートークなんて鬱陶しくて、気恥ずかしくて、自分のほうから遮っていたはずなのに。
行為の最中にも、果てる時でさえ甘い言葉はなかったし。絶頂には達したけど、私の意志とは無関係に無理矢理引きずり出された快感に、心は空っぽのような気がした。