届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
「どうした?」
霧生くんがビックリした顔をして立っている。
「誰かと思って、ビックリしちゃった。」
あの人はあたしが病院にいたくらいで、追いかけてくるわけないか。
ホッと安心。
「ごめん。メールだっけ?」
白衣のポケットから携帯を出すと、あたしの隣に座りながら自局番号を検索している。
「あぁ~!!病院で電源切れって言っておきながら、自分は持ち歩いているじゃん?!」
携帯の画面をのぞき込みながら、プク~っと、ホッペを膨らませた。
「今、更衣室から持ってきたんですぅ。」
イヤミったらしく言うものだから、さらにプックリふくれていくホッペ。
「言い方ムカツクゥ~!!霧生くんキライ!!」
眉をゆがませながら、ジッと霧生くんをにらんだ。
「じゃあ、いらないんだ…メアド。」
目の前で自局番号画面の携帯を揺らしながらチラつかせた。
「いるからぁ~。」
猫のように携帯に飛びついたのに、パッと腕を上げてお預け状態。
そんな霧生くんのイジワルに泣きそうな顔になると、霧生くんが笑いをこらえている。
その隙を狙ってサッと携帯を奪うと、制服のポケットから自分の携帯を取り出すと勝手に番号交換をした。
「おいっ。ドロボウはよくないなぁ~。」
少しだけ眉をゆがませた。
「失礼な。教えてくれるんだから、泥棒じゃないでしょ?日本語大丈夫?」
頭を指しながらジッと霧生くんの顔を見た。