届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

だったら、自分の気持ちを誤魔化して、小さな幸せを見つけて喜べるならいい。

その為には、このままでいいの?

何度も自問自答して。

出した答えが。

今夜は、お兄ちゃんの帰りが遅くて。

わざと、お兄ちゃんの部屋で寝ていた。

お風呂に入った時、家政婦さんに、お兄ちゃんの部屋で寝たいと言ったから。

いきなりそんなことを言い出したから、困惑していたけど。

昔のようにしていたら。

きっと、もっと自分の気持ちを誤魔化せるような気がした。

ベッドに入ると、お兄ちゃんの匂いがして。

「ゴホッ!!ゴホッ!!」

思わず気持悪くてむせてしまった。

ちょっと前までは、この匂いが一番落ち着いた。

大好きだったのに…

人って嫌いになったら、どこまでも嫌いになっちゃうのかな?

でも、ここで諦めるワケにはいかない。

小さな幸せを見つけるためにも。

必死に堪えていると、いつの間にか寝てしまった。

何かが太ももの辺りをモゾモゾと動いているので目が覚めた。

寝ぼけた目に映ったのは、いつもと様子の違うお兄ちゃん。

「お兄い…。」

名前を呼ぶ暇も与えないくらい。

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