届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

頭の中ではイロイロな事を考えながら、メモに霧生くんの実家とフルネームを書いた。

「これでいい?」

スッと、秀の目の前に書いたメモを差し出した。

「十分!!結果は何とも言えないけど、生死くらいは分るはずだから。」

「ありがとう。」

「お礼は尚吾から聞くからさ。今の気持のままじゃ尚吾が可哀想だし…居なくなった人には勝てない。コイツが吹っ切れれば、尚吾と向き合えるだろ?」

少し寂しそうに優しい微笑みを浮かべた。

「…。」

返事なんか出来るはずもない。

だって、あたしは人を好きになったらいけないんだから…。

「まあ、尚吾はいい奴だし、多分、紗羽ちゃんが思っている以上にアイツはすげぇ~奴だよ。」

うなずく事も返事をする事も出来なかった。

どんなにいい人でも、あたしは人を好きになれないんだから。

沈黙したままのあたしに、それ以上何も言わなかった。

部屋のドアを開け、出て行こうとした秀の後姿に唇を噛みしめた。

「…ねぇ、あたし、秀にお願いがあるの!!」

慌ててソファから立ち上がると、大きな声で呼び止めた。

「どうした?」

ピタリと足を止めると、少し驚いた顔をしながら振り向いた。

「お礼…お礼考えたの。」

モジモジと落ち着かない様子で、ゆっくりと口を開いた。


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