届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
寝起きで急いで届けようとしたのが一目で分かる。
Tシャツ・ハーパン姿。
「ありがと。」
綾瀬唯の頭をクシャッとなでた。
「うん。」
少し照れたかのようにハニカンで笑った。
その顔が可愛くて。
キュンと胸が締め付けられた。
綾瀬も普通の17歳だよな。
いきなり押しかけてきて。
居候するとか言い出したかと思えば。
昼間にいなかったり、帰って来ない時もあった。
初めの数日は、家にでも帰ったのだろうと思っていたけど、全て謎のままだと不安になってきて。
学校は?
家族は?
友達は?
自分があまりにも、綾瀬唯を知らな過ぎると実感。
それで、昨日は聞き出そうと連れ出したけど。
イジメられて。
傷ついて。
きっと、家にも事情があったのかもしれない。
…ちょっと、無神経すぎたか。
「なぁ…今夜帰り早いから、花火をしようか。」
「ふぁえ?」
一気に目が覚めたように驚いて、ポッカリと口を開けながら顔を上げたけど。
驚きすぎて、噛んでしまった。
「カミすぎ。」
軽く綾瀬唯の頬をつかみながらクスッと笑う。