届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

寝起きで急いで届けようとしたのが一目で分かる。

Tシャツ・ハーパン姿。

「ありがと。」

綾瀬唯の頭をクシャッとなでた。

「うん。」

少し照れたかのようにハニカンで笑った。

その顔が可愛くて。

キュンと胸が締め付けられた。

綾瀬も普通の17歳だよな。

いきなり押しかけてきて。

居候するとか言い出したかと思えば。

昼間にいなかったり、帰って来ない時もあった。

初めの数日は、家にでも帰ったのだろうと思っていたけど、全て謎のままだと不安になってきて。

学校は?

家族は?

友達は?

自分があまりにも、綾瀬唯を知らな過ぎると実感。

それで、昨日は聞き出そうと連れ出したけど。

イジメられて。

傷ついて。

きっと、家にも事情があったのかもしれない。

…ちょっと、無神経すぎたか。

「なぁ…今夜帰り早いから、花火をしようか。」

「ふぁえ?」

一気に目が覚めたように驚いて、ポッカリと口を開けながら顔を上げたけど。

驚きすぎて、噛んでしまった。

「カミすぎ。」

軽く綾瀬唯の頬をつかみながらクスッと笑う。

< 505 / 570 >

この作品をシェア

pagetop