涙が途絶える日まで
そう。私は大のお祭り好き。
逆に好きすぎて自分をコントロールできなくなるのです。
そんなの來弥に見せられないよぉ…。
「留美~?いこ~?」
『あっ絵玲奈!待って!!』
「絵玲奈ちゃんも大変だね。留美のせいで」
『らっ!來弥ぁ!!』
「そ?なら私が彩部の代わりに留美とラブラブしようかな?」
『絵玲奈!大好きっ』
そう言って私が絵玲奈に抱きつくと
絵玲奈は來弥に見せつけるかのようにドヤ顔をした。
「だめっ!留美やっぱ絵玲奈ちゃんと仲良くするなっ!」
『なによぉ!來弥のばかっ!』
「おいおい。俺のこと忘れんなよなっ!」
「とにかくもう行こうよ!」
『うんっ!』
私たちはお祭りの屋台が出てる方に歩いていった。
わあ…。 予想以上に混んでるや。
けどやっぱいいね。お祭り…
いっそ私だけ抜け出して楽しもうかな。
「留美?はぐれないでね!」
『あ、うん!』
はは…だめか。
『かっかき氷っっ!!!!』
「ちょっ留美?」
おいしそ~っ
『ひゃっ!りんごあめっ!』
だめだめ。リンゴ飴は最後。
なめながら帰るのが一番っ♪
ヨーヨーにチョコバナナ、
亀すくいに金魚すくい…
『夢みたい…』
とかいいながら自分の世界に浸っていた私は
いつのまにか絵玲奈たちとはぐれてしまっていた。
『絵玲奈~?來弥ぁー!』
やばっ。ガチな迷子だ…
とにかく今はおとなしくしてよう。
あ、ケイタイ、ケイタイ…
『充電きれてるよ…』
今にも泣きたい気持ちをこらえて
屋台から離れる。
だからイヤだったのに…
「ねぇ。」
『え…っ?』
誰…。
「今暇ー?何してるの?」
『あ…あの。』
「ちょっと遊びに行こうよ!」
『いやあの中学生なんで…』
「まじ!?ちょー可愛いじゃん!ほら行こ!」
えっちょっ…
私は手首を引かれて連れて行かれそうになった。
『い、いたっ』