涙が途絶える日まで

思い切って


私は悲しいのと嬉しいのと罪悪感とで

複雑な気持ちだった。

叶わない彩部に対する想い。

意味もなく誓と付き合ってしまった。

結局は私、

人を傷つけることしかできないんだ。

『ふぇ・・・っ』

泣き出したい気持ちがあふれ出て

我慢してたのに

涙が止まらなくなってしまった。

そのまま帰るわけにもいかず

絢奈の家に行った。


『あ、絢奈・・・?』

「瑠美!?ど、どしたの・・・?」

『ふぇーっ』

「大丈夫・・・?とにかく入って?」

『うん・・・。』

迷惑だよね。こんな時間に。

わざわざ入れてくれるなんて。

本当に優しいな。この子。

「話せる?」

『ひっく。』

「もう少し待つね・・・?」

『ごっごめんなしゃっ・・い』

「あははっ。
嗚咽と混じって聞き取れないから
今はしゃべらないで。
落ち着いたらでいいから。ね?
お茶持ってくる。」

『ふぇっい。』

絢奈が戻ってくる前に抑えよう。

話し聞いてくれるんだもん。

こんな顔で家に帰ったら

絶対質問攻めにあう。

何から話したらいいんだろう。

やっぱり・・・

「ごめん。
ミルクティーしかなかった」

『ん・・・。あっありがとう。』

「どう?留美。」

『ぷぁっ』

ミルクティーを飲んだら落ち着いた。

これなら話せる・・・。

『絢奈ぁ。私ね、
最低なんだよ・・・。』

また涙が・・・っ

「いいよ。ゆっくりで。
何が最低なの?」

私はゆっくり話し始めた。


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