しろくろ

「俺がどうしたって?」


振り向くと、いつもどうりの顔。
少し不機嫌そうに眉を寄せて、壁に寄り掛かる姿に止まっていた涙が溢れだしそうで歯をくいしばる。

「……煉ちゃんっ!」

思わず伸ばした手にすっぽりとはまったのは、煉ちゃんの手ではなく、サラサラで肌触りの良い布。

その肌触りにほっこりしていると、いつもどうり不機嫌そうに声が降ってくる。

「時間がねぇんだ。さっさとこれに着替えろ。」

「 へ??
どういうこと?この服は?」

?マークをとばしている私に煉ちゃんは早口で説明する。

「バカかお前。あと10分でパーティーが始まるんだよ。今日のパーティーはお前も主役みたいなもんだ。
ちゃんと準備して恥ずかしくない格好でこい。」


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