あのこになりたい
シュンの寝室は初めて入る。


ベッドと本棚と机…


きっとシュンの部屋だったんだ。



ベッドに座って本の話や、子どもの頃の話をしていたけど…


会話が途切れた時、シュンがそっとキスして…


「咲、大丈夫…?」



何度も聞きながら、ゆっくり私に触れた。



私の鼓動はあり得ないほど大きく響いていた。


いつもより優しい声で私の名前を呼んで、優しい手で私の全てに触れた。



あまりのことに私は目が回りそうだったけど、シュンの愛情が伝わってきて心の奥では安心していた。



「った…!痛…」


私は痛さで力が入る。



「咲、力抜いて…ゆっくりするから」


シュンは私の顔を見ながら言った。



私は頷いてゆっくり息を吐いた。



やっぱり噂通り痛かったけど…


シュンは優しくて、あったかくて、すごく愛しかった。



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