あのこになりたい
二人で迎える初めての朝は照れくさくて意味もなく笑ってた。



シュンの指に私と同じ指輪がされてることがくすぐったくて、何度も一人でにやけていた。



待ち合わせ場所に兄がいて、私達を見た兄は、黙ってシュンの足を蹴った。



「何すんだよ」


シュンが言うと、


「それはこっちのセリフだ」


追いかけ合うシュンと兄を見ながら私は笑った。



その3日後シュンは突然家に来た。



「あの…咲さんと付き合ってます!真剣に付き合ってます。付き合うならやっぱりちゃんと認めてもらいたくて…それを言いに来ました」


シュンは、父と母の前で頭を下げた。



突然のことに驚いた私は、呆然としていたが、


「咲は、真っ直ぐで芯の強い娘だけど、脆い一面も持っている。傷つけるようなことだけはしないでやってくれ」


父が冷静な口調で言った。


母も驚いた顔をしながらも、


「咲、勉強をおろそかにしないように。恋愛と、学業はちゃんと分けて考えなさいよ」


と言った。



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