あのこになりたい
「うちの父は、とても厳しい人で曲がったことがとても許せない性格なの。私が小学生の時にいじめられて学校に行きたがらなかった日も、まだ小学3年生だった私をひっぱたいて、引きずって学校まで連れてかれたの…」


私は、


「すごいね…」


と顔をしかめながら言った。



「教室に入って、私は軽く放り投げられて…『いじめられたらいじめ返すぐらいやってみろ!そんなんじゃこの先、生きて行けないぞ!』って叫んで帰って行ったの…。それから誰もいじめてくることはなかったけど…逆に警戒されてただけだよね」



若菜さんは決して父親を嫌いなわけではないことだけはわかった。



「赤ちゃんのために…勇気振り絞って出てきたんですね…」


私はそう言った。



父と母は若菜さんのための布団を出して、お風呂を溜めたりとバタバタ動いていた。



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