天神学園高等部の奇怪な面々28
そうと決まれば。

「これとこれとこれ…あとこれも…」

「橘君、これを忘れてはいけないよ」

「ああそうですね…念の為にこれも…」

「ちょ、いや、おまっ…」

うろたえる龍太郎の机に、次々と積み重ねられる現文、古文、英語、数学、生物、化学、物理、世界史、日本史、倫理などのテキスト、プリントの数々。

天井にまで達しそうなそれは、傲慢な人間達が天に昇ろうとして雷で破壊されたバベルの塔のようだ。

まぁ崩れた場合、龍太郎が下敷きになるのだが。

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