君と恋に堕ちた事について
ある日、麻実が一緒に出掛けようと言った。今まで、近所しか出掛けた事はなかった。会社の連中に会ったら、なんと言っていいのか分からなかったからだ。


「もう、お互いに独身なんだから、なんと言われたって構わないでしょ?」


その通りだ。麻実よりオレの方が臆病だった。


「よし。行くか。」


オレは、重たい腰を上げた。
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