君と恋に堕ちた事について
靴を履いているオレを、麻実は見つめていた。


「ネクタイ貸して。」


オレは、外していたネクタイを麻実に渡した。


あの頃のように、流れるようにネクタイを結んだ。


麻実は、オレの頬を撫でた。

その時に車のクラクションが鳴った。

「タクシー来たみたいね。」


「携帯変わってないのか?」

麻実は、ジッとオレを見つめて頷いた。


「連絡する。」


麻実が「ダメ。」と言うヒマを与えないように、素早く外に出た。
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