たった一試合、君と私の甲子園
私たちは温かい歓声につつまれながら
会場を後にした。


「美優。」


「紗奈・・・」


会場の外に出ると紗奈が立っていた、
私は紗奈の元にに歩み寄る。


「すごい歓声だったね。」


「うん、私もびっくりした。
まさか敗者の私たちに声を
掛けてくれるなんて
思ってもなかったから。」


「それだけ会場の人たちの心を
射止めたってことだよ、」


「ええ? そうかな・・・」


「そうだよ。」


紗奈はニコッと笑った。


紗奈がそこまで言ってくれるなら
そうなんだろう、
私はそう思い素直に喜べた。

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