Love Trip in Italy (番外編)
俺は空いている方の右手で、杏花の右手を握りしめた。
杏花から漏れる呼吸は何だか苦しそう。
どうした? 気持ち悪くなったか?
「杏花、大丈夫か?」
「…のぼせそう」
「は?大丈夫か?」
「要のせいなんだから…////」
「俺?…なんで」
「もう////何もしないって言ったのに////」
はぁ?
俺が抱き寄せたから長風呂になったって言うのか?
まだほんの5分くらいだろ?
「いつもはもっとゆっくり入ってるだろ?」
「もう…時間の問題じゃない////」
……? 時間じゃない??
けど、……俺のせい? ん??
あっ!!……マジでか!?
俺は確かめるように…
握りしめている杏花の手の甲にそっと口づけし、
抱き寄せている左手で、杏花の身体を横向きに変えた。