なんでも屋 神…最終幕
三人分の椅子を用意していると、白髭を蓄えた[トレイン]のマスターが、五人分のコーヒーを運んでくる。



俺とヒロ以外のコーヒーカップに、乳白色のミルクを螺旋状に垂らしながら一葉に手渡す。



部屋中が香ばしいコーヒーの匂いに包まれていたが、俺の鋭敏な鼻は違う臭いを感じ取っていた。



厄介な仕事を持ち込んでくる客が放つ、追い詰められて切羽詰まったような、独特の臭いが鼻を突く。



「スカウトの世界じゃ低年齢化が進んでるのか?契約している店に、生安の手入れが入るぞ。」



先ずは様子見のジャブをヒロの鼓膜に送り込み、それを受け取ったヒロは、苦笑いを俺に返してくる。
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