深紅の薔薇と漆黒の貴方
なんと面白そうな賭けであろう。
しかも、私がこの王に惚れることなど、有り得るはずもない。
つまり、私の勝利は確実ということだ。
「いいでしょう。その賭け、乗りました。」
すると珀黎王は手をうち、まるで少女のようにニンマリとした。
「では、始めましょうか。」
ゆっくり頷くと、彼は布団に潜り込み、さっさと寝息を立て始めた。
私も布団に寝ころがり、明日にそなえて瞼を閉じる。
あの王が本当に大人しく殺されるだろうか?
まぁ、いい。
命請いをしても、さっさと斬れば良いだけ。
そんなことを考えながら。